実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
「謝ったところで許してなんてあげないわ」

「……当然の答えだな」


 自虐的な返答。わたしは大きく息を吐く。それから無理やり笑顔を浮かべると、おじいちゃんの顔を覗き込んだ。


「許しはしない。その代わり、週に二回で良い。わたしと一緒に食事をして? おじいちゃんが何を考えているのか、それについてわたしがどう思っているのか、ちゃんと共有したいの」


 おじいちゃんが小さく目を見開く。いつも貼り付けられていた冷徹な君主の仮面。綺麗に剥がれたその裏に、言葉では言い表せない程、たくさんの感情が溢れ出ていた。


「それから! 誰が何と言おうと、わたしはここに居るお父さんとお母さんの子供だから! 
だから……これからも二人には手紙を送るし、絶対絶対会いに来る。それに、二人にもお城に来て、わたしが頑張ってるところを見て欲しい。
だってわたしは、平民王女だもの。そのぐらいのワガママは許してよね」

「……戻って来てくれるのか?」


 半ば諦めていたのだろう。おじいちゃんは信じられないといった表情で、声を震わせる。

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