実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
「ライラ様が訓練を見に来て下さるようになって、騎士達は皆、喜んでいます。文官たちもそう。あなたの笑顔に、直向きさに、どれ程の人が救われたか……。
城の皆が、国民が――――あなたの幸せを心から願っています。
ライラ様は何も悪くありません。ハッキリと求婚をしない、あの二人が愚かなだけです。ライラ様を慕っている人間が大勢いるのですから」


 アダルフォの言葉が真っ直ぐに心に染み入る。慰めが、きちんと慰めになっている。だって、彼の言葉には嘘が無いって知ってるんだもの。同じ言葉をエメットから言われても、多分素直に受け取ることが出来なかったと思う。


「――――――だったら、アダルフォもわたしを慕ってくれてるって認識で良いの? 国の後継者としてじゃなく、一人の女性として」


 この機会を逃したら、アダルフォは永遠に『自分が候補に入ってる』って気づかないに違いない。精一杯、不敵な笑みを浮かべ、アダルフォのことを見つめる。

 だけど、なにを言われたのか理解が追い付かなかったのだろう。目を瞬いて数秒。アダルフォはやがて、頬を真っ赤に染め上げた。


「それは……その………………!」


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