実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
***


「どうだい? ライラ」

「とっても美味しいです」


 めちゃくちゃ広くて豪勢な部屋に案内された後、おじいちゃんと一緒にテーブルを囲む。すぐに数人の女の子たちがやって来て、お茶とケーキを用意してくれた。朝、着替えを手伝ってくれた女の子達だ。皆すごく可愛いし、わたしに向かって優しく微笑んでくれる。


(癒されるなぁ)


 一日中貴族たちに囲まれていたせいか、何だか本当に安心する。甘いスイーツの効果も相まって、わたしの緊張感は駄々下がりだ。ほぅとため息を吐くたび、おじいちゃんは穏やかに目を細めた。


「ライラよ、この部屋をどう思う?」

「へ……? えっと、とっても素敵だと思います」


 おじいちゃんに言われて、わたしは改めて部屋の中をぐるりと見回す。淡いピンクを基調とした壁紙に、ついつい手を伸ばしたくなる可愛らしい調度類。大きな窓からは花々が美しく咲き誇る庭園と王都がよく見渡せる。お姫様のお部屋ってのは、きっとこんな感じなんじゃないかな――――そんな風に思った。


「そうだろう、そうだろう。急ごしらえだったが、気に入って貰えたようで良かった。ああ、足りないものがあったら何でも言いなさい。すぐに用意させるから」


 そう言っておじいちゃんはとても嬉しそうに笑う。


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