実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜
「お会い出来て光栄ですわ。わたくしずっと、姫様にお会いしてみたいと思っていましたの」


 そう言ってシルビアは満面の笑みを浮かべる。


(良いっ! すごく可愛いっ!)


 シルビアの笑顔は格別に可愛かった。日中殆どの時間を男性に囲まれて生活しているせいで、女性というものに飢えているってのもあるかもしれないけど、めちゃくちゃ癒される。それに、完全に対等な関係じゃないにせよ、シルビアからは『全く別の次元にいる』みたいな距離感を感じない。わたしにはそれが、とても嬉しかった。


「ライラです。今日はわざわざ来てもらってゴメ――――」
「姫様」


 わたしの言葉は、最後まで紡がれることなく、アダルフォによって遮られた。咎めるような視線に、わたしはそっと唇を尖らせる。


(うぅ……王族ってのは面倒くさいなぁ)


 何でも、姫君っていうのは謝罪をしてはいけない生き物らしい。人の上に立つものの威厳が云々~~って言われたけど、正直言ってわたしは、この辺がイマイチ理解できない。
 だって、お父さんとお母さんには『人に何かをしてもらったら、感謝をするものだ』って教わったし、周りも皆、当たり前のようにそうしていたもの。相手に手間を掛けさせて、謝ることの何が悪いのだろうって思ってしまう。寧ろ、感謝や謝罪の言葉がすんなり出ない方が、威厳が云々以前に、人としてダメダメだと思っている。

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