実はわたし、お姫様でした!〜平民王女ライラの婿探し〜

19.嘘は言っていませんよ

 夜会会場は信じられないぐらい煌びやかだった。
 会場自体もそうだけど、招待客皆が綺麗で華やかでキラキラして見える。


(さすがはランハートの人脈)


 皆ゴージャスで明るくてフレンドリーで、姫であるわたしにも線を引くことなく、優しく話し掛けてくれる。というか、多分ランハートがそうするように頼んだんだろう。


(ランハートは、わたしが人のぬくもりに飢えていることを知っているものね)


 同じ年ごろの令嬢や令息たちが引っ切り無しにやって来て、代わる代わる挨拶をしてくれる。礼儀作法や社交の講義で教えて貰ったことが早速活かせて、なんだか嬉しかった。


「わたくしずっと、姫様とお話ししてみたかったんです!」

「どちらの仕立屋をお呼びになったんですか? 姫様にとってもお似合いですわ!」


 姫君になって以降、お世辞は言われ慣れている。だけど、お世辞だと分かっていても嬉しいし、侍女達のそれよりも、何となく心の距離が近い気がする。
 シルビアも明るくて親しみやすいんだけど、この会場に居る令嬢たちは、また少し印象が違う。わたしはそっと身を乗り出した。


「皆さんのドレスも大人っぽくて素敵です。わたしはまだ、どの仕立屋が良いとか、流行りとかあまり詳しくなくて……色々教えてくれたら嬉しい」

「もちろんですわ!」


 交わされるのは本当に他愛のない会話だけど、姫として城に連れてこられる前の生活を思い出す。幼馴染のエメットや、他の女友達と話していた時みたいな気楽さ。もちろん礼儀とか品とか、そういうのは互いに保っているけれど、本当に全然気分が違う。

 ふと振り返れば、ランハートが満足気にこちらを眺めていた。


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