だって、恋したいもん!

第百九十九話  ごめん……







義雄「ごめん、ちょっとこっち来て!!」



と、私の手を強く握り路地のほうへ入っていった……



理佐「え、どうしたの? 何?」



と、私は言ったが彼の足は止まらなかった。






そして路地の中ほどまで行くと彼はようやく立ち止まった。





理佐「痛いよ西野くん……どうしたの?急に……」



義雄「あ、ごめん………」




と、言って彼は私の方を向いて俯むいた……




理佐「どうしたの?」


と、もう一度私が聞くと彼は頭を掻きながら話し始めた……































義雄「あのぉ……」







理佐「ん………何……?」







義雄「オレ………」








理佐「……………?」







義雄「どっかで気持ちごまかしてたとこがあったかもしんない……」







理佐「気持ち……て?」







義雄「渡邉さんがいつも放課後、渡り廊下で本読んでたのも知ってたし……」








理佐「え……!?」







義雄「CDショップで声かけたのもたまたま偶然ってだけじゃなくて……」






理佐「え……………!」







義雄「オレ…ずっと前から渡邉さんのことは知ってたし……」







理佐「え………そうなの……?」








義雄「うん……だから………」








理佐「………だから……?」
















義雄「オレ……やっぱり……気持ち………はっきり伝えたくって……」




理佐「………気持ち……?」





義雄「うん…………」





理佐「………………………」












義雄「………………………」











理佐「………………………」

























義雄「オレ……やっぱり渡邉さんのことが好きだ!!」








「ドドンッ!!!!」










と、彼の一際大きな声とともに路地の奥から太鼓の大きな音も響いた!!











理佐「………………………」











義雄「………………………」


















理佐「ごめん………」

















第二百話へつづく…











< 207 / 208 >

この作品をシェア

pagetop