だって、恋したいもん!

第四十一話  戦友







そして翌日の放課後、

みんなが帰った後も由依と二人で教室で時間をつぶしていた。



由依「西野くん、何時からバイト行ってるの?」

理佐「知らないけど帰りに行けるって言ってたからそのまま行ってるんじゃないかなぁ…」

由依「じゃあもうちょっと時間つぶしてからにしようか?」

理佐「うん、そうだね」


由依「それにしてもあんたいつの間にそんな話してたのかなぁ~」

理佐「うん、でも何かあの時は自然に話せた♪」

由依「じゃあ今日もあたしいらないじゃん?」

理佐「いや、だめだょぉ~ついて来てよぉ~」

由依「えーー!」

理佐「だって今日はうちでごはん食べるんでしょ?」

由依「あんた行って帰って来るまでここで待ってるじゃん!」

理佐「えー!やだよぉー、一緒に来てよぉー!」

由依「もぉー!あんたたち付き合っても『一緒に来て』とか言うんじゃない?」

理佐「いや、それは……」



理佐「でも今日は一緒に来て!!!」

由依「はいはい、わかりました!」



そんな話をしていると美波が廊下を通りかかり私たちに気がついた。



美波「おー、理佐ー♪由依ー♪まだ帰らないの?」

理佐「うん、もうすぐ帰るよ」


美波「二人で何の相談? 西野くんのこと?」

理佐「いや、ちょっと………」

由依「おっ!さすが美波!するどいねー♪」

理佐「ちょっと由依ー!」

美波「え、何なに? 告白すんの?」

理佐「やだっ!もぉー、ちょっとぉー!」

由依「する?」

理佐「しないよー、今日……は………」


美波「こないだもいい感じだったから言っちゃえばいいじゃん!?」

由依「でしょ!?あたしもずっと見てたけど何回もチャンスあったんだよ!」

美波「うそっ!ずっと見てたの?」

由依「うん、ずっと!美波が来た時もあたしすぐ近くにいたよ」

美波「え、マジ? 全然気づかなかった! さすが由依だね♪」

由依「理佐も全然気づいてなかったし♪」

理佐「だってぇ~…そんな余裕なかったもん…」

由依「まぁしゃーなぃか! 理佐にしてはよくやったほうだよ」

理佐「でしょ!? 頑張ったもん!」



美波「で、今日は?」

由依「うん、西野くんのバイト先にお買い物♪」

美波「え?どこ?」

由依「結構学校から近いよね?」

理佐「うん…」

由依「親戚の魚屋さんでバイトしてるんだって」

由依「だからそこで晩ごはんのお買い物♪」

由依「で、晩ごはんもおよばれしちゃいます♪」

美波「へぇ~、面白そうじゃん♪ あたしも行こっかなぁ~♪」

理佐「えーー!! 美波、部活は?」

美波「あ、今日は無し! 顧問が研修で来ないから自主練だって」

理佐「えー!そんないっぱいで行ったら…」


美波「あたしも理佐ん家で晩ごはん食べよっかなぁー」

美波「理佐のお母さんに電話しといてよ♪」

理佐「えー!!マジでー!?」

美波「うん、あたしも顔突っ込んだからには最後まで見届けたいからね♪」

由依「おー!よしよし、戦友が出来たよー」

理佐「ちょっとぉー!みんなで遊ばないでよー!」

美波「理佐!電話しに行こう♪あたしのテレカ使っていいから♪」

理佐「えー!ホントにー!?」

美波「うん!ホントに!」


と、ノリノリの美波に反抗出来ずに体育館前の公衆電話まで連れて行かれてしまう私だった。







第四十二話へつづく…










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