君の心が聞こえる。


でも、さっちゃんに負けずわたしにも後悔していたことがたくさんある。



「わたしも。さっちゃんがずっと隠してた秘密、バラしちゃった。……酷いことも言った」


今でもあの時自分の口から出た言葉はしっかり覚えてる。


……叶いっこない、なんて最低だった。



「ううん、いいの。あの時の優ちゃん、自分だけ嫌われ者になろうとしてくれたんだもん。それにね、私の好きな人……兄ちゃんね、結婚したんだ」

「……そっか」

「今はもう子供がいてね。姪っ子。私叔母さんだよ?でもね、すーっごく可愛いの」


"もう何も悲しいことなんてないよ。"




そう言ったさっちゃんは、わたしの顔を覗き込んでニコリと笑った。



あぁ、そっか。

わたしたちが話さなかった時間は、こんなにも長かったんだね。


< 115 / 251 >

この作品をシェア

pagetop