君の心が聞こえる。

だから、安心して、と。

そう伝わるように、お母さんに笑いかける。



今まで心配させてごめんね、お母さん。

わたしはもう、大丈夫だよ。


メグくんも、さっちゃんも、わたしのこの力を受け入れてくれてるの。とっても優しい人たちなんだよ。



「心配してくれてありがとう、お母さん」

「優里……」


お母さんの瞳から、ポツリと大粒の涙が零れた。


「よかった」と、お母さんはそう呟いて、そして嬉しそうに笑う。



ずっと気にかけてくれていたのはよく知っている。


他人と壁を作ったわたしに心を痛めていたのも、またあんなことになるんじゃないかと不安を抱えていたことも。



「あの、」

メグくんがもう一度口を開いた。


今度は安心したような表情で、お母さんがメグくんを見る。





「優里先輩のこと、大切にします。不思議なところも含めて。まるごとぜんぶ」



真っすぐに向けられたメグくんのその言葉は、確かにお母さんに届いたようだった。