君の心が聞こえる。
「センパイ、髪跳ねてるけど」
「え、嘘!?」
「ほら、ここ」
そう言ってわたしの後ろの髪先を撫でながら、メグくんはクスクス笑う。
「どーせ正面だけ鏡でチェックして、後ろは確認してなかったんでしょ」
「う……」
「そういうところなんだよなぁ、ゆーりセンパイ」
もう完全にメグくんに見透かされているのが、なんだか情けない。
年下のくせに、全然年下らしさがないのも困り者だ。
たまにはわたしだって先輩風吹かせたいのに。
「でも、相変わらず香水だけはちゃんとつけてんだね」
「もちろん。だって君の香りだし」
「……センパイってそういうところドストレートだよね」
「うん?」
だって、好きな匂いなんだもん、これ。
朝身支度をするときにこの香水をつけると、今日1日頑張ろうって思えるんだよ。わたしの今の必需品は間違いなくこれなんだから。