高嶺の花と呼ばれた君を僕の腕の中で包みたい


「やっと会えた〜君のことはずっと気になってたんだよ」
「あっ、あの……」


 玲に抱きしめられた華と目が合った。怯えた顔が怖いといっているように見えた。


「玲っ! 華から離れろ!」


 尖った大声を出した尊臣に周りの視線が集まった。けれどそんな事には目もくれず、尊臣は玲の肩を力強く掴みベリッと華から剥がす。


「悪い悪い、ついアメリカのなごりで抱きついちゃったわ」


 両手を小さく挙げて謝る玲を無視して尊臣は華を見た。


「は……桜庭先生すいませんでした。……先生?」


 華の顔が真っ青だ。


「あ……え……だ、いじょ……うぶ」


 震えた声を出した華の異変に気がついた瞬間、目の前で華が崩れるように倒れた。

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