一条さん結婚したんですか⁉︎

いいえ。妻命ですけど?



 美男の隣には美女を....そんな決まりを誰が作ったのか。


 おい、誰か教えてくれ。


 
 



 ここは一条氏が勤める某大企業の社長室。高層ビルの最上階って訳さ。


 なんでこんな場所に氏が呼ばれたかって?




「一条く〜ん。君、結婚しちゃったんだって?なんでよ〜。前に薦めたお見合い嫌だったの?」


 社長椅子と平社員椅子は雲泥の差がある。

 革張りの極圧ソファーは、キャスター付き。


 クルクル回る小太りのオッさん基、社長様は、一条氏の左薬指を凝視すると、困った様に眉間を顰めた。


「ずっと結婚したい女性が居たので、お見合いはお断りしていた筈なんですが....。」


「そうは言ってもね〜。先方の娘さんってば、一条君に一目惚れしちゃったらしくってね〜。今からどうにかならないかな〜?」


 この小太りオヤジは何を言ってんだ。と氏は負けじと粘る。


 やっと一条 花に出来たんだ。これ以上ない幸せを俺から奪うってか?


 今までこのオヤジを筆頭に、散々振り回されてきた。

 仕事だからと、やりたくも無い事を我慢し続けて、それでも我慢出来なくなったら....。



「社長、私が素直に離婚するとでも?」

「....そう怖い顔しないでよ〜。だって、どうしようもないじゃない。一条君だって昇格間違いなしの好条件よ?」

「はっ?笑わせないでくださいよ。そんなもんの為に、惚れた女を捨てれるかっつーの。」





(ちょっ、一条氏?大丈夫?激オコじゃないっすか⁉︎)



 
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