必ず、まもると決めたから。

12時を回った頃だった。
まだ寝巻き姿の私の元にメールが届いた。

『今から勉強会しよう。待ってます。 京介』

お店のURLと共に送られて来た。
一度彼に電話をしたから、私の連絡先が分かったのだろう。


今はとても勉強する気分にはなれないが、ひとりで家に居るよりも気分が紛れるかもしれない。でも新谷くんと勉強って……。


再び大好きなアイドルの着信音が響き、新着メールが届いた。


『桜誠もいるよ』


その一文で、勝手に手が動いた。


『1時間後に行きます』


お店まで乗り換えはないが電車で20分くらいかかるだろう。全国展開しているカフェで場所は把握している。

その前に朝起きたままの状態で髪の毛もボサボサだ。慌てて鏡と向き合い、寝不足によって表れたクマを消すためにメイク道具と四苦八苦した後、今度は着ていく服に悩む。


この間、遥と買い物に行った時に買った淡いピンクのワンピースを着込んだ。腰あたりについたリボンが可愛く、デートっぽい服装だけど、まぁいいよね…。告白した後だし、気合い入れてると思われた方がいいかもしれない。


いつもは内巻きカールのボブヘアも中央で編み込んでみた。


「よし!行こう」


鏡を何度か見た後、何冊かの問題集をトートバッグに放り込み、家を出た。

2人きりで会うのは恥ずかしいけれど、新谷くんもいるなら気が楽だ。

< 161 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop