必ず、まもると決めたから。

唐揚げを食べる私の頬は遥に摘まれたままだ。


「あのね、勝手に食べるのはダメでしょ」

「んー、私のタマゴ食べる?」

「千咲が毎日食べてるから、こっちは飽きてるのよ」

「そう?私は全然飽きないけど」


ギュッと力を込めて頬をつねられる。


「痛っ、分かったよ!それじゃ、ジュース奢りますんで!」

「よし」


遥はやっと手を離して、残りの唐揚げを頬張る。


「後5分しか昼休みないじゃん。自販機行くから急いで」

「はいはい」


職員室前にある自動販売機は飲み物が一律100円で手頃なこともあり、いつも何人かは並んでいる。


サンドイッチを紅茶で流し込み、遥に引っ張られるまま自販機を目指した。




「やばっ、結構並んでる!私、お腹いっぱいで走れないから、先に行って!」

「え?私だけ?後で買えば…」

「いいから!」

ドンっと背中を叩かれて、仕方なく走る。


幸いにも職員室から教師が出てくる気配がなく、自動販売機までの一直線の廊下を走れば、


曲がり角から人影が表れて、次の瞬間には
ーー衝突し、身体がのけぞった。

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