星と月と恋の話
しかも、なんとも運の良いことに。

「グループ分けですが、今回はこちらで決めてきました。まず第一グループは、菅野(すがの)君、上浜(かみはま)君、三珠君、佐伯(さえき)さん、星野さん、木村(きむら)さんです。次に第二グループは…」

あれ?今私呼ばれたよね。

ってか、私の仲良しグループ全員呼ばれてない?

そう。

菅野君とは隆盛の、上浜君とは正樹のことで。

佐伯は海咲の、木村は真菜の名字なのだ。

奇跡の何か?

…と言うより、普通に生徒同士の交友関係を考慮したグループ分けにしてくれただけなんだろう。

他のグループも、比較的、友達同士が固まった構成になっている。

先生の粋な計らいって奴だ。

元々の私の仲良し5人グループに、三珠クン…つまり結月君がくっついた感じになってる。

それにしても、結月君がいるなんて。

調理実習、最早これで勝ち確って奴では?

この上ない、これ以上ない最高のグループ分け。

これには、先生に感謝だ。

「今回の実習では、一週目と二週目を通じて献立を4品考えて、レシピもそれぞれグループで調べてきて、三週目に調理実習をしてもらいます」

と、先生は説明した。

ふーん、成程…。

…って、4品って多くない?

あ、でも中等部のときも、3品一気に作る、とかあったな…。汁物とメインとデザートの3品。

でも、献立まで自分達で決めて、レシピも自分達で探す、っていうのは初めてだな。

先生も冒険するなー…。

ふざけたグループが、「お茶漬けとおにぎりとレトルトスープと、牛乳と混ぜるだけのプリン」なんて4品にしたらどうするんだろ。

めっちゃ怒られそう。

かといって、ポタージュスープにロールケーキ!みたいな、超面倒臭そうなメニューにしたら、作るの大変そうだし。

絶対時間内に終わらないよね。

その辺の、調理の難易度や、かかる時間も含めて。

しっかり下準備した上で、メニューを4品決めなさいよ、ってことなんだろうな。

でも、このグループなら大丈夫だ。

なんたって、私のグループには超心強いシェフがいるんだもの。

もうこの時点で、恐れるものは何もない。
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