星と月と恋の話
…そして。

バスが学校に辿り着き、それぞれ解散した後。

真菜と海咲に声をかけて、一緒に帰ろうと思ったのだけど。

「あ、ごめん。私この後、部活の集まりあるから」

「私は先生に呼ばれてるんだ。ごめん」

真菜も海咲も、そんなことを言って断った。

…変なことを言うものだ。

遠足の日は、部活動はないはずだけど。

それに、先生に呼ばれてるって…。こんな日に?何の用で?

訳が分からなかったけど、二人共、何故か示し合わせたように、そそくさと私の前から逃げていった。

変なの…。

…まぁ、良いや。たまには、一人で帰ろう。

そう思って校門を後にした私の背中に、声をかけてくる者がいた。

「星野!」

「…?隆盛?」

隆盛だった。

「どうしたの、息切らして…」

「いや、ごめん…。ちょっと話があるんだけど」

話?

「さっきさ、クリスマスイブに、三珠と別れるって話したじゃん?」

「え?うん…そう、だけど…」

別れるんだよね、私…結月君と…。

当たり前だよ、私ったら何考えてるの。

皆言ってたじゃん。私と結月君は釣り合わないって。

元々、単なる罰ゲームの関係でしかなかったんだから。

ようやく私は、正常な日常に戻るのよ。

好きでもない人と付き合う罰ゲームの日々は、あと少しで終わり…。

それが終われば、私は…。

「そしたらさ、星野…。今度は、俺と付き合わないか?」

「…は?」

私は、思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。

ちょっと隆盛…何言ってんの?
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