ガキ大将と猫(溶け合う煙 side story)

3.猫に首輪

休み明けは少し早めに出社をしている。
PCの電源を入れ、ログインをし、起動をまっていると

「うぷぷ、山城さんって、武藤くんと付き合ってたのね!」

同じ課の佐々木さんがやってきてコソコソと言った。

「えっ!?」

「休み前に2人が駅でキスしてるの見ちゃった!」

「あっ、いや、そのぉ…」

何と返事していいか困っていると、

「あー、見つかっちゃいましたかー。佐々木さん、まだ秘密でお願いしますー。オレの彼女恥ずかしがり屋なんでー。」

と、いつの間にかやってきた武藤先輩が言う。

「えー、内緒なの?別に社内恋愛禁止されてるわけじゃないのにー。駅前のカフェのショコラスコーンで手を打ってあげるわ〜」

と言うと、手をひらひらさせて自分の席戻っていった。

「ちょっと、どーゆーことですか!?私たちそんな関係じゃないですよね!」

「そーゆー事だからって言ったぞ。」

「はぁっ!?」

私の声が少し大きかったのか皆が一瞬こちらを向く。

「ちょっと、先輩!こっち来てください!!!」

武藤先輩のスーツの袖口を掴み、個室になっているミーティングルームへ移動した。

「何だよ。オレはお前と違って忙しいんだ。」

「何で佐々木さんにあんな事いったんですかっ!」

「お前が鈍感だから周りから固める事にした。」

「はぁ!?誰が鈍感なんですかっ!?」

本当にこの人はわけがわからない!
いつ好意を示されたのか記憶がない。
むしろ、ずっと私のことを嫌ってるとしか感じられなかった。

私が騒いでいると突然腕を掴まれ壁際に追い込まれ、逃げ道を塞がれた。
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