「ひきこもり王子」に再婚したら「憎悪しか抱けない『お下がり令嬢』は、侍女の真似事でもやっていろ」と言われましたので、仰せのままに従うことにしました
 たとえば、クロードになんとかしてほしい、と訴えるとか。

 いまさらだけど、訴えようと思えばいくらでも出来た。自分が見たことを伝え、何か出来ることはないかと相談することも出来た。

 自分のことで精一杯だった。自分の居場所を作ったり、クロードに認められ、かまってもらうことに心血を注いでいた。

 ただの言い訳である。

 結局、わたしも多くの特権階級と同じなのだ。

 気がつくと、前後左右木々ばかりの景色になっている。

 これからしばらくの間、広大な森の中を通過することになる。
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