竜に選ばれし召喚士は口説き上手な外交官に恋の罠に落とされる
07 太っ腹
「こんなお屋敷って……どうやって、訪問するんだと思う? ラス」
(ナトラージュが分からないのに……俺が知る訳ないだろ。呼び鈴とかも……何も、見当たらないよな……)
リーダス侯爵家が、王都に構える豪邸の前。ラスは困った顔をしているナトラージュの隣で、ぱたぱたと透明な翼をはためかせた。
立派過ぎる表門にはがっちりとした錠前が付いていて、今は閉ざされている。
本日は休暇なのでナトラージュはいつもの白いローブを脱ぎ、飾り気のない黒いドレスを着ていた。お礼をしようと、ヴァンキッシュ訪問時と同じような無難な高級店の菓子折りを買ってここまでやって来たのは良いのが、さっぱりこれからどうして良いのかわからない。
「……どうしよう。このままだと、何もせずに帰っちゃうことになりそう」
門の前で途方に暮れる。おろおろと辺りを見回したところで、どうにもならない。
(ナトラージュが分からないのに……俺が知る訳ないだろ。呼び鈴とかも……何も、見当たらないよな……)
リーダス侯爵家が、王都に構える豪邸の前。ラスは困った顔をしているナトラージュの隣で、ぱたぱたと透明な翼をはためかせた。
立派過ぎる表門にはがっちりとした錠前が付いていて、今は閉ざされている。
本日は休暇なのでナトラージュはいつもの白いローブを脱ぎ、飾り気のない黒いドレスを着ていた。お礼をしようと、ヴァンキッシュ訪問時と同じような無難な高級店の菓子折りを買ってここまでやって来たのは良いのが、さっぱりこれからどうして良いのかわからない。
「……どうしよう。このままだと、何もせずに帰っちゃうことになりそう」
門の前で途方に暮れる。おろおろと辺りを見回したところで、どうにもならない。