殺すように、愛して。
 意識が飛びそうなくらい苦しいのに、意識が飛びそうなくらい気持ちいい。瀬那、瀬那、と甘い声で名前を連呼され、気持ちいいね、と喘いでばかりの俺の心の中を代弁するように繰り返し、びちゃびちゃ、ヒクヒク、とこの場ではあまりにも淫猥に聞こえるオノマトペで状態を実況し、孕んじゃうかも、とオメガである以上孕めることをまた意識させ、達っていいよ、と快感に身を任せることを促す黛の、怒濤の如く押し寄せる言葉責めに興奮や羞恥を煽られ、発情期の症状もあってか、あっという間に腰がガクガクとリズミカルな痙攣を引き起こした。自慰を遥かに上回るほどの強烈な快感に視界が白ける。

 ああ、ああ、まゆずみ、いやだ、やだ、これ、むり、とぶ、とぶから、まゆずみ、まゆずみ、とぶ、きもちい、くるしいのにきもちよすぎて、きもちよすぎてきもちよすぎて、ぜんぜん、おさまらない、まゆずみ、こわい、こわい、のに、なにこれ、きもちい、まゆずみ、

 首を絞められている苦痛に、他人の手によって与えられる快感に、頭が真っ白になり、ベータの彼らの存在を忘れてしまうほど気持ちいいことしか考えられなくなる俺は、顔を涙や鼻水、涎でめちゃくちゃにしたまま、あまりにも刺激が強すぎる快楽に気を失ってしまった。黛の、俺を縛る言葉に鼓膜を揺らされながら。

「瀬那がいいって言うまで噛まないから、いつか絶対番になろうね、瀬那」
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