Honey Trap
…――2年の月日が過ぎた。
「美千香!」
「里央…」
新年早々、学校に呼び出されたついでに、近くの神社で里央と落ち合う。
「あけましておめでとう」
「おめでとう」
里央と挨拶を交わして、あとは和田くんを待つだけ。
相変わらず、時間にはギリギリの人だ。
「美千香、お正月どうだった?」
「親戚の家に挨拶に行った以外、ほとんど勉強してたかな」
「だよね、私も。受験までもうすぐだもんね」
私たちは受験生、もうすぐ高校を卒業する。
どういうわけか、2年のクラス替えで里央と和田くんと同じクラスになり、ここまで縁が続いてきた。
和田くんは理系志望だったはずなのに。
奇特な友人たちは決して私から離れていくことはなく、3人で過ごすことが今や当たり前となった。
それも、もうすぐ終わり。