強烈な旦那様♡おバカなカメ
願いのタトゥーと夏菜の存在意義
夏菜の願いを叶える為、李範が胸にタトゥーを彫った。


「フフ…」
タトゥーが身体に馴染んだ為、今日初めて夏菜に見せるのだ。

待ちに待った日に、夏菜は心底嬉しそうだ。

「カメ、なんかお前…キモいよ(笑)」
「だって、私が刻み込まれてるんだもん!
楽しみにしてたの!」

李範は、フッ…と笑ってインナーを脱いだ。

胸に、亀がいた。
「あ…亀……」

「フッ…なんか、面白いだろ?
イニシャルじゃ、ありきたりだと思ってな」

「フフ…うん!可愛い~」

「可愛いか?
ちょっと怖くね?
可愛い感じのは、俺には似合わないからな。
ちょっとリアルな感じにしたから。
カメ、怖がるかなと思ったんだが…」

「ううん!可愛い!」
ニコッと笑って、胸のタトゥーに触れた。

「そうか。良かった!」

「亀の横のお花は、薔薇?」

「そう。俺」

「李じゃくて?」
「あぁ」

「フフ…私とりーくんがいる」

「ん。いつも一緒だ」

「うん!
ありがとう、りーくん!
私のワガママ、聞いてくれて!」

「当たり前だろ?
お前が望むなら、俺は何でもする」

「りーくん、大好き!!」
そう言って、李範に抱きつく夏菜だった。


「りーくん…」
しばらく抱き締め合って、夏菜が言う。
「んー?」

「今度は私が、りーくんのワガママ聞く番!
何かない?」
李範の腕の中から見上げる。

「特に」
「えー!ほら、今日一日中ずっとくっつくとか、キスをたくさんするとか、あ!膝枕とか!
何かない?」

「フフ…」
「ん?なんで、笑うの?」

「それ、カメがしたいことじゃね?」

「え?あ…いや…/////
そ、そんなことないよ!」
目が泳ぐ夏菜。

「フッ…ほんとに?(笑)」

「ほ、本当ですとも!」

「へぇー!じゃあ俺、今から“一人で”出てきていい?」

「え……」
微笑んでいた夏菜の表情が、一瞬で固まった。
そして今にも泣きそうに、悲しみに満ちた。

「ちょっと、本屋に行って煙草買ってくる」
李範はインナーを取って立ち上がり、着ながら玄関に向かおうとする。


「━━━━━嫌!!!」
タタタッと李範を追いかけ、背中に抱きつく。

「……っと!カメ?」

「行かないで!!私も一緒に━━━━━」

「でも“ワガママ”言っていいんだろ?」

「そうだけど……」

「はっきり言え。
本当は、離れたくないって」
「………」

「いいの?一人で行っても」
「………だめ…」

「ん?」
「私……私が、一日中くっついていたいの!」

意を決したように、李範を見上げて言ったのだった。
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