強烈な旦那様♡おバカなカメ
『李範!』

『んぁ?』

『“また”喧嘩したの!?』

『は?』

『あんた!もう、喧嘩はやめなっつったじゃん!』

『はぁ!!?ダチを傷つけられたんだ!
仕返しに行くに決まってんだろ!!』

『だからって!あんたは強いんだから、手加減くらいしなさいよ!!
…………てか!暴力じゃなくて、話し合いで解決しろ、バカ!!』

『うっせぇーな!
てめぇは、お袋か!!』

『はぁ!!?あんたみたいな息子なんて願い下げよ!!
息子にするなら、可愛い子がいいし!』
いがみ合う李範と純香。

それを見て、仲間達がからかう。
『夫婦喧嘩は、ヨソでしろよー(笑)』
『なんか、あちぃー(笑)』

みんな、大爆笑だ。


李範と純香は、仲間達にとても愛されていた。

乱暴だが、芯は優しく仲間想いの李範。
純香も、とても仲間想いでみんなを叱りながらもその中には“愛情”があった。

そして李範と純香自身もお互いに、心を通わせていた。



そんな時だった━━━━━━

『━━━━━っ…どうした!!?』
仲間の一人が、たまり場に大怪我をおってやって来た。

仲間達が、駆け寄る。
鬼闘(きとう)…に、殺られ…た……』

『あいつ…!!?』

鬼闘とは、最近意気がってると噂の暴走族。
手当たり次第の人達に、かつあげしたり、喧嘩を仕掛けたりとても悪どいことをしていた。

李範の仲間を傷つけられたのも、これが初めてではない。
仕返しに行こうとする李範達を、純香が止めていた。


【仕返しなんてやめて。
こんなことしても“何も”解決しない。
李範達が仕返しをする。
相手がまた、仕返しをしてくる。
…………ね?悪循環でしょ?
“暴力は、何も生まない”】
と━━━━━━



『…………李範、どうする?』

『俺が一人で行く。
純香には、言うなよ』

そして李範は、たった一人で鬼闘に会いに行った。

しかし暴力は使わず話し合いで解決させようとしたが、相手は鬼闘だ。
全く通用せず、李範は鬼闘達になぶられた。

それでも、手を出さない李範。

李範は必死で、純香との約束を守ろうとしていた。

『なんだよ、つまんねぇー
円城寺くーん、どうしちゃったのぉー
かかってこいよぉー』

鬼闘が李範を煽る。
それでも李範は、拳を握りしめ耐えていた。

“もう、純香を悲しませたくない”

その一心で━━━━━━━
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