海色の世界を、君のとなりで。
これから先の未来、何が起きるかまったく分からない。
けれど、どんな結末を迎えてもそれは必然だったと言えるなら。
いかなる選択をしても、すべてわたしにとって正しいと言えるなら。
目の前の霧が、少しだけ晴れるような気がした。
「少しは楽になった?」
「……はい。とても」
「それはよかった。いつでも待ってるから、つらくなったらまた来てね。私はいつでも栞ちゃんの味方だから」
ふわっ、と笑う先生。
そのときわたしは生まれて初めて、先生という存在の偉大さを感じたのだった。