君の甘い笑顔に落とされたい。

2人とも仲良しだから、てっきり共有されてるものだと思ってた。



「テスト期間に大雨が降ったでしょ?その日に椎名くんと一緒に帰ったの。傘ないって言うから放っておけなくて……」
《ふぅん》

「あの、久世くん?」

《なんだよ》
「……怒ってる?」



だって、なんか、声が少し低くなったような気がして。
気のせいだったらいいんだけど、もしかして知らない間に気に触ることしちゃった?


《なんで……怒ってないけど》
「そっか、それならよかった……」

《……怒ってはないけど、おもしろくない》


その言葉にぱちぱちと瞬きをする。



《なんでだろーな。》なんて、久世くんは小さな声でそう言った。





< 157 / 284 >

この作品をシェア

pagetop