君の甘い笑顔に落とされたい。
「どこ行くの」
手首を掴まれたのは、そんな時だった。
突然感じた久世くんの温度に心臓が飛び出そうになる。
「く、久世くん、起きてたの?」
「うん」
「なんで寝たフリ……」
「起こしてくれるかなーって思って」
な、難易度が高すぎるよっ。
あたふたする私に、久世くんは可笑しそうに笑った。
そんな姿を見て、きゅっとまた胸が苦しくなる。
「……あの、とりあえず離して?」
大好きな久世くんにずっと触れられていると、色々ともたないので……。
目も合わせられないし、ほっぺたも熱くて爆発してしまいそう。
「……」
久世くんは、何も言わない。
黙ってソファに座り直して、私のことを見上げたのが視界の端で見えた。