君の甘い笑顔に落とされたい。

それなのに、ふとした時に思い出すのはやっぱり久世くんのことだったの。
私の心の深いところには、ずっと久世くんがいたの。



「わたし、ずっと前から、久世くんのことが好きだった」
「……うん」

「今も、その気持ちは変わらないの……だから、私のこと、もっと好きになって、久世くん……」



堪えていた涙が、ぽろぽろこぼれ落ちてくる。
そんな私を見て、久世くんは優しく笑った。



「おまえのそーいうとこ、本当にずるい。」




< 265 / 284 >

この作品をシェア

pagetop