君の甘い笑顔に落とされたい。
絆創膏、ポーチに入れてあったかな?
とにかく早く更衣室に戻らないと……
「恭介、」
「……へ?」
いきなり久世くんが呼んだのは、なんと椎名くんの名前で。
彼の声に反応して、ハードルを肩に担いだ椎名くんが「なにー?」と私達の元へとやってきた。
「おまえ、花戸さんのこと保健室連れてってやってくんない」
「いいけど……どっかケガしたの?」
「膝。転んで血出てる」
「えっ、あ、マジじゃん!これ中にしまってくるから待ってて?」
心配そうな顔で私のことを見た椎名くんに、思わず頷く。
……って、ちがう!ど、どういうことですか!久世くん!
バッと久世くんを見ると、眠そうにあくびをしながら「この前の、お詫び?」なんて言う。