ヤンデレ彼氏は私を溺愛する(仮)
《僕ね、将来は千遥ちゃんと結婚するの!》
昔仲良くしてくれた男の子がこんなことを言っていた。
結婚を深く考えていなかった私は
《私も○○くんと結婚する!》
と答えていた。
今はもう名前すら思い出せない男の子に対して、私は恋をしていた。


「千遥!起きなさーい!」
目が覚めたらまたいつもの白い天井。
はぁ、結局なにも変わってない。
何もかもがいつも通りで面白くない。

「お姉ちゃん、そろそろ起きないと間に合わなくなっちゃうよ…」
「お姉ちゃん!早く起きて!!」
いつもこーやって起こしてくれる双子ちゃん。
七瀬に七葉だ。
この2人はとっても可愛くて、勉強もスポーツも出来る、私たち家族の自慢の2人だ。
「今日も起こしてくれてありがとうね!」
この2人はニコニコしながら先に下へ降りて行った。
やっぱりなにも変わってないかぁ…。
べつに変わらないことが悪いわけじゃないけど、なにかが起こると楽しいじゃん!ワクワクするじゃん!
起こらないから退屈だ。
「千遥おはよー!」
「奈津か!おはよー」
私の大親友の奈津。私たちは仲が良すぎるためよくはるなつコンビって呼ばれるくらいになっている。
「千遥、今日転校生くるらしいよ!!」
「転校生…?」
この時期からの転校生って珍しい。だいたいは春とかからだし…。
「元々ここら辺に住んでた人なんだってー!千遥の知り合いかもよっ!」
「そーなんだ!」
私の知り合いかもしれない人か…。誰か転校して行ったっけ?

「今日は転校生を紹介するぞー。入ってこい」
―――ガラガラガラ―――
「キャーーーッ」 「おぉ!!!」
「今日から転校してきた、白井真城くんだ」
「白井真城です…。よろしくお願いします」
教室に入ってきたのはクールそうなイケメン男子だった。
「千遥!!あの人かっこいいよっ!」
「そーだね!」
たしかにかっこいい人だった。クールで猫っぽそうな彼はすぐにクラスの人気者となった。

「真城くんの好きなものってなにー?」
「今度真城くんのお家遊びに行きたいーっ!」
「白井は今度俺たちとバスケするもんな!」
「お前らにあげねーーよ」
女子からも男子からも人気になった白井さんは一躍有名になった。
「千遥ー!話しかけてみてよ!」
「無理に決まってんじゃん!」
男の子と話すのは苦手というわけではなかったが、自分から話しかけるというのはあんまりしたことがなく、話しかけるなんて高度な技術、私には出来なかった。
「はぁ…」
「また、ため息?」














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