一度倒れたら、溺愛がとまりません!!
私の気持ちが少し落ち着いたところで、
一旦、病室を出てお父さんと二人きりにしてくれた晴を呼んだ。

「お父さん。晴。私、自分がこれから勉強して、やりたいことがわかった。もちろん今の小児科医も私のやりたいことだった。
でも、それ以上に自分が役に立ちたいと思ったことがある。

私、救急医になる。

改めてお父さんが倒れて自分は何もできなかったことがわかった。だから、今すぐになれるわけではないけど、小児の救急の対応も活かせるし、運ばれてきた人を治療できるから

私はなりたい。どうかな?」

「南がやりたいと思ったのなら精一杯頑張ればいいと思う」
やさしい声でお父さんは言ってくれた。

「救急医は、いろんな患者が運ばれてきて、他の科より助かる人もいれば助からない人も多い。しかも、一人ひとりにあまり時間がかけられない。タフでないとつらいと思う。それでもやりたいか?」

晴は、経験から現実的なことを言ってくれた。

「やりたい。人を助けたい」
私がそう言うと晴は、微笑んで

「そう言うと思った。頑張れよ」
私は笑顔で
「うん。二人共ありがとう」
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