一度倒れたら、溺愛がとまりません!!

甘えるって

晴が病室から出ていくと入れ替わりのように看護師がやってきた。

「有川先生、今日は採血がありますね。
頑張りましょう!その前に血圧と体温測りましょうね」

「はい、…頑張ります」

「血圧は、上104…少し低いかな。
体温は、39.0まだ高いですね」

「…ですよね、体のダルさがきついです」

「じゃあ、採血やりましょうかね」

「…ほんとにやりますか?」

「フフ、やりますよ。どうします?三浦先生にやってもらいます?」

「いえ!大丈夫です。やります」
晴にこんな姿見られるのは避けたい。

「じゃあ消毒しますね」
ついに腕に消毒されて、スースーしてきた。

「刺しますよ、力抜いて、刺せませんよ」

看護師が注射器を持つ姿を見て、ナイフでさされそうになったことがフラッシュバックした。

「…いや、だ。ささないで…やめて!」


「三浦先生、お願いします」
看護師は無理やりやることなく、ナースコールで晴を呼んだ。

「あー、やっぱり、って?あれ?過呼吸?
大丈夫だから、南。大丈夫、ナイフじゃないよ。はい、こっち向いててね」

晴は、私の顔を自分の肩に押し付けて針が見えないようにして、看護師に合図を送った。

「深呼吸しててね、呼吸できなくなっちゃうからね」

「終わりました。採血」

「ありがとう、こっちはなんとかするから
次の患者さんのところへいって大丈夫です」

看護師が病室から出ていった。
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