戯れの家💛大人向けショートショート②

戯れの家

その1



「…あら、もう3時になるわ。ユウカたちにおやつを持っていかないとね…」


刺激的な情事を”満喫”した恵理子は、ドレッサーの鏡に向かい、乱れた髪を整えるとキッチンへ向かった。


恵理子は冷たいカルピスとクッキーを乗せたトレーを手に、1階に降りて行った。


***


”何か話し声が聞こえるわね…”


サービスルームは1階のユウカの部屋と向かいあっていた。
恵理子はユウカの部屋にトレーをそっと置くと、サービスルームの前まで”忍び足”で寄って行った。


「わー、立派なツノねー」


「ユウカちゃん、触ってみれば?」


「えー、でも…」


「恐がらないで、さあ…」


「うん…、じゃあ、ちょっとだけ…」


「どうだい?」


「うん、カタいわね、このツノ」


”まあ、二人とも一生懸命やってるわ。なら、気を散らしたら悪いわね(苦笑)”


恵理子はおやつをおいたまま、声をかけず、静かに階段を上っていった。


何気に吉原家の重点ポリシーであるはずの”プライバシー”を、しっかりと無視して…。




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