世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
 相川のきつい物言いに「えー意地悪っ!」と頬を膨らませて結花は更衣室に向かった。
 今日は相川とペアで仕事をする日だ。
 彼に会えるということで、結花は4時に起きてメイクとファッションに気合いを入れた。
 入ってから最初の3週間ほどは悠真に迎えに来てもらったり、無理矢理起こされるような形で出勤していたが、相川を楽しみにしているのか、結果的に自分で出勤できるようになった。
 自転車が多少できるようになった。
 結花はプライベートで自転車を何十年も使っていない。
 通学は母の周子またはお手伝いさん達にお願いしていたし、常習的に遅刻していた。
 時間が押しているときは、校則違反となるメイクを車の中でやっていた。
 寝起きもよくないし、起きてもマイペースで朝食、頭からつま先までのメイクに2時間ほどかかるのもしばしばあった。
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