僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている
セミの声がそこかしこで割れんばかりに鳴り響いている、うだるように暑い、夏休みに入って間もなくの頃。

予定通り、写真部の合宿に行くことになった。

約束の駅に行くと、私以外の三人は、改札口にすでに来ていた。

「すみません、遅くなって」 

「まだ時間じゃないから気にせんといて! いや~、女の子がいたらやっぱ華やかやわぁ」

大歓迎、というふうに両手を広げて、二階堂部長に出迎えられる。

私は、今日は白のチュニックシャツにデニムパンツという恰好だ。

二階堂部長も、デニムのショートパンツに黒のTシャツという、夏っぽい恰好をしている。

私服姿で皆に会うのは初めてで、少し恥ずかしい。
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