続・23時のシンデレラ〜甘い意地悪なキスをして〜
「ただ……麗夜さん、見た目もそうだけど、事実、安堂社長の実の息子じゃないからね、色々奇異の目で見られる事もあって……安堂家の長男としては、辛い立場だったと思うわ。特に……奥様が、亡くなられてから、安堂社長が急に、颯さんを探し出してきてDNA鑑定して、そこから数年後に認知したの」

「え?」

「それまでは、安堂家の後継は、麗夜さんしか居ないと思っていたから、安堂家含め安堂不動産の上役も、颯さんを、時期後継として推すようになって……ますます、麗夜さんの居場所が無くなってしまった……だから、麗夜さん……颯さんの大事にしてるモノや人を、奪い取ろうとしてるんだと思う……」

一度、見ただけだが、確かに、麗夜は、ニコニコと笑っているが、目は笑っていないように思えた。

「颯……私のせいで……副社長を辞めさせられたりしないよね?」

颯は、いつ辞めてもいいだなんて、言っていたけれど、颯が、今の仕事に誇りとやりがいを持って、一生懸命取り組んでいるのを、私は間近で、みていて知っているから。

颯の好きな仕事を、私のせいで失って欲しくない。

「美弥ちゃん?」

「あ、うん……昨日、颯のお父さんが、家に来て、その……麻美ちゃんと結婚しなくても、それなりの家柄のお嬢様と結婚しなきゃ、時期社長を麗夜さんに、って話を颯と聞いて……」

麻美が、大きな瞳を僅かに見開いてから、私の背中をそっと摩った。
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