Y'a pas que les grands qui rêvent
促されるまま、私はヘレンの横に座る。

大人びた横顔は、黙ってただ炎を見つめている。

その眼差しだけが、まだ純粋に思えた。

「人間の原点だと思わない?火とか、海とか、そういうのって」

唐突にそんなことを言われても、私としてはリアクションに困る。

「子供は親を選べないじゃん。だから、誰かに甘えたい気分になったりすると、親なんかよりもっと原点を求めて、私は一人で海に行ったり、焚き火をするんだ」

チャラそうな格好をしている15の少女が言うと、何だか妙な感じもするが、確かに、炎を見つめていると安心する気がする。

しかし、それよりも本当に、どうしてこの子はこんなに変わったのか、心配になってしまう。
< 17 / 42 >

この作品をシェア

pagetop