Y'a pas que les grands qui rêvent
因みに、元夫は地元民ではなく、隣県出身者だ。

ハッキリ言ってしまえば、いくら院卒と言っても所詮はこの大学…。

研究熱心でもなかったので、単に就職を先延ばしにしていただけなのだろうけれど、そのことに気付かなかった私はもっと馬鹿だった。

昔、幼かったヘレンの手をこっそりつねり、睨みつけたという元夫。

もし、当時そんなことを知っていたら、流石の私も結婚は躊躇っていただろう。

不幸中の幸いなのか、私は元夫から殴られたことはないものの、今の時代ならDVと呼べることを、8年の結婚生活の間、散々されてきていたのか…。

そう思うと、悔しいし情けない。

付き合い始めてからの10年という歳月。

20代の全てを、あんな元夫に捧げた自分の愚かさが許せない…。
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