【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
「いたたっ……おいっ!カサンドラ、何するんだ……!」

「それはこちらの台詞だ……エイヴリー・ビズレッド」


エイヴリーは、その声の主を睨みつけようとした時だった。


「え……っぁ」


目を見開いたエイヴリーは小刻みに震えている。


「僕の愛する妻に……何の用だ」

「……っ」


先程の勢いはどこへやら。
ブライアンの顔を見たエイヴリーは瞳を右往左往させている。


「カサンドラを傷付けた元婚約者が……一体何の用だと聞いているんだよ?」

「ブ、ライアン殿下……!」


まさかカサンドラの相手が、この国の第二王子だとは夢にも思っていなかったのだろう。

エイヴリーはどうするべきか迷っているようだった。
ブライアンはエイヴリーを見て吐き捨てるように言った。


「……カサンドラを裏切ったくせに、よくも顔を出せたものだ」

「………っ」

「僕の愛する人に手を出そうとするなんて……君は馬鹿なのか?」

「いや…それは……っ」

「厚顔無恥とは、まさしくこの事だな」


ブライアンの言葉にエイヴリーは顔を赤くした。
< 157 / 179 >

この作品をシェア

pagetop