【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
「……ぁ」
「次にカサンドラに触れてみろ……?その首、切り落としてやる」
「!!!」
ブライアンの言葉にエイヴリーは思わず首を押さえた。
「カサンドラ……言いたいことがあるなら言ってしまいな?」
「え……?」
「もう彼と会う事は一生ないのだから……」
カサンドラがブライアンの言葉に驚いて顔を上げた。
カサンドラはグッと拳を握った。
あれ程に愛していた男は、今となっては……。
「わたくしを振って下さって、本当にありがとうございます」
「……!」
「その間抜けな顔を、二度とわたくしに見せないで下さいませ」
「カサ、ンドラ…」
「……さようなら」
始めは震えていた声……けれど次第に怒りが籠る。
一時は共に時間を過ごした人……。
進んだその先は、天国と地獄への道に分かれていた。
「……連れて行け」
ブライアンが手で合図すると、後ろに控えていた騎士達がエイヴリーの両腕を掴み、容赦なく引き摺っていく。
その様子をカサンドラは黙って見ていた。
「嫌だッ、まて!いやだああああーー!」