【短編集】婚約破棄から幸せを掴むまで
公爵家を離れるという選択は出来ないがミランダ様と添い遂げたいバレット様と、絶対に公爵家に嫁ぎたいと思っているミランダ様……どうすればいいのか思い悩んでいるようです。

元々、わたくしはバレット様の事を嫌ってはおりませんが、何年も共に過ごして関係を作ってきたわたくしよりもミランダ様を選び、愚かな行動を取って周囲に迷惑を掛けたバレット様には愛想が尽きました。

お二人には最後まで"真実の愛"とやらを貫き通して頂きたいと思っております。
意地が悪いでしょうか?
ですが今後の為にも、しっかりと学んで頂けたら宜しいのではないかと思います。


「ヴァレンヌ……!待ってくれ」


わたくしが家に帰ろうと馬車に向かっていると、突然後ろから呼び止められました。
気分は最悪です。


「……ヴァレンヌ、急にすまない」

「何か、御用でしょうか」


バレット様が気不味そうに此方を見ていました。

いくら嫌いでも、公爵家の令息であるバレット様を堂々と無視する訳にはいきません。
いつもよりも少し低めの声で答えました。
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