あのねあのね、
髪色もその時の気分で変えていて、その度に生活指導されてしまうのは痛ましい。
もっと融通の効く高校を選んでいたら、自由に何でも制限なしにできたのかもしれない。
まつりちゃんは私のためにこの高校を選んでくれたようなものだから……
「でも、気になって授業どころじゃな〜〜い」
まつりちゃんは突然脱力し、机に項垂れた。
思わず小さくふふっ、と笑ってしまう。
こんな口下手な私と一緒にいてくれるまつりちゃんは、なんて優しいんだろうと思う。いつも思ってる。
そのまま午前中はずっと、隣の席のまつりちゃんのソワソワを感じ取っていた。
「──なち、早速聞かせて?」
お昼休みになると私達は教室から移動し、外の中庭にあるテーブルベンチに座って昼食をとる。
天気が良くて暖かい日はいつも日向ぼっこをしながら、こうして一緒にお昼を食べているのだ。
「なちの本格始動の恋バナ…嬉しいような寂しいような……でも覚悟はできてるからっ!」
「あ、あの…っ、恋…?」
危うく食べていた唐揚げを喉に詰まらせそうになった。
一旦落ち着くために、ごくっとお茶を飲む。