あのねあのね、
「あぁ〜……俺の彼女可愛すぎ」
「……!」
頭を抱える夕凪くんのボソッと呟く声がハッキリと聞こえて、頭が沸騰するようにボフっとなった。
「……なち。俺のほうこそ、ありがとう」
「…っ…?」
「見つけて、守って、心を救ってくれた。なちは俺をすごいとかかっこいいって言うけどさ……俺にとっちゃなちのほうがずっとすげぇし、かっこいいからな?」
夕凪くんから出る言葉が、私は好きだ。
そう言うと、他は?ってたぶん聞かれる。
そうしたら全部好きって答えるだろう。
性格も、話し方や仕草も、人柄も、見た目や顔も、匂いも、全部。
夕凪くんが夕凪くんだから好きになった。
「夕凪くん。私に恋をくれて、ありがとう……っ」
あの頃の自分にも伝えたいな。
あれだけ何度も心の中で言っていたありがとうは、今夕凪くんに伝わってるよって。