略奪女子ネット村
キッカケ/彼の足元




”あー、いけねー”


マユリはころがる5円玉を目で追い続けるが、結構転がっていく


”タン!”


コロコロ転がった5円玉はこの音と共に止まった


その5円硬貨はある男子生徒の靴の下だった






マユリは足の主の顔を確かめた


”わー!あの人だわ―…。私の落とした5円玉、靴でキャッチしてくれた”


マユリの胸は思わずキュンと高鳴った


「…拾えよ」


”あの人”こと、”ジェット”ヒサシは、ぶっきらぼうにマユリにそう言った






マユリは無言で5円玉の方にすたすたと進むと、ヒサシの足元にしゃがんだ


”あっ…、この香り、スーパー・シトラス…”


ヒサシの体からスーパー・シトラス(SS)の匂いを伝え嗅いだマユリは、またまた胸がキュンとなった


SSはこの周辺での高校界隈では、どS系男子の”香り”で周知されていた





「おい、何だよー。パンツ見えてんじゃん、コイツ…」


その声は、ヒサシの横でパンをかじってる赤宮シゲトだった


どうやら、5円玉を拾おうと前にかがんだ際、マユリのジャージがずれ落ちて、パンティーがはみ出していたようだった





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