【完結】離婚したいはずのお嬢様は、旦那様から愛の復縁を迫られる。
■第二章


 それから一週間が経った週末。
 レイヤと私は、二人で少し離れた場所に買い物に来ていた。

「アユリ。手、繋がないか?」

「え……?」

 手を繋ごうだなんて、レイヤにしては珍しいことを言ってくるなと思った。

「夫婦だし、手を繋ごう」

「……うん」

 でもレイヤに手を握られると、やっぱりドキドキする。
 レイヤのことが好きだからだよね、きっと。

「アユリの手は小さいな」

「そうかな?」

 レイヤの手は大きくて温かい。温もりが心地よい。
 この温もりを手放すことなんて……私にはできるのだろうか。

「アユリ、何かほしいものないか?」

「ほしいもの……?」

 レイヤに「ほしいもの」を聞かれた私は、何を答えたらいいのか分からなかった。

「ああ、アユリのほしいもの。 何かないのか?」

「んん……。そうだな、ほしいものか」

 私がほしいものはーーー。

「特にないかな」

「ほんとにないのか? 何でもいいけど?」

「ほんとに……ないよ。だから大丈夫」

 私が本当にほしいのは、レイヤの心だよ。レイヤが私以外の女の人を想っているという事実を消し去りたいくらい、あなたの心がほしいよ。
 私には、あなただけだよ。
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