ぐーたらネコになってみたい!!☆私は貴方の腕の中で丸くなる☆
気づけば駅のベンチで、二つ椅子を開けて男子学生が座っている。

こんなことが何回かあって…

今日も静かに小説を読んでいる綺麗な横顔。あまりにも綺麗すぎてじっと見てしまったのがいけなかった。

男子が私の視線に気がついて目と目があったその瞬間、ただ目が合っただけなのに私は顔の熱を感じた。

やだ…恥ずかしい!

電車がホームに入り急いで車両に滑り込む、男子も同じ車両にゆっくりと乗り込むが、私とは少し距離がある。

心臓がバクバクして、何度も深呼吸をしているが落ち着かない。

彼は次の駅で降り、ドアが閉まり発車するまで私を見ていた。

そして甘い笑顔…

なんで知らない私にそんな顔を向けるのか、考えても分からない。

忘れたくても忘れられない、苦い初恋の経験の始まりだった。

もう恋なんて…

まさかこの年齢になってもあの頃のことが、小さな火種となって残ってる。

すこしでも気を抜けばパチっと赤い炎となり、私の心を痛めつける。

たかが初恋なのに…

初恋だから…かも…
 
そして、私の何かが変わり、私は私を捨てた。

もう、あの頃の私は何処にもいない。
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