やっぱり…キスだけでは終われない
やっと…の結婚式

結婚式前日の夜はそれぞれお世話になった人と過ごそうとなった。

彼は独身最後の夜をお友だちと過ごすことになり、修一さんと佐伯さんと飲むことになったのだとか。

私は実家に帰り、家族と過ごすことになっていた。この日のために帰国してくれた両親と、お祝いにきてくれたアヤちゃんや祖父母と一緒に夕食を取った。

夕食後、アヤちゃんが心配して声をかけてくれた。

「カナ…。ちゃんとカナが不安に思っていることを柾樹さんに話せたの?」

私は黙ったまま首を左右に振る。そんな私を見てアヤちゃんは何かが閃いたという感じで話しだした。

「ねえ、結婚式…やめちゃえば」

「そ、そんなことしたらいろんな人に迷惑かけちゃうよ」

「だって無理して結婚式なんてあげなくていいのよ。花嫁さんの幸せそうな笑顔が見られない結婚式なんて参列してる人たちだっておかしいと思うって」

「で、でも……」

「カナが自分でできないなら修一さんにカナを式場から連れ去るのを手伝ってもらおう」
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