桜のティアラ〜はじまりの六日間〜
 「キャー、ちょっと絵梨ちゃん。そんなにバシャバシャかけないでよう」
 「いいじゃないの。ほらほらー!」
 
 他には誰もいないのをいいことに、二人ははしゃいだ声を上げる。

 部屋で一息ついた後、絵梨と美桜は、ブティックの奥のスパに来ていた。
 前に来た時は一人で心細かった美桜は、絵梨と二人だと思う存分楽しめていた。

 「ねえ、あっちまで泳いでいこうよ」
 「あ、待ってよ、絵梨ちゃん」
 
 まるでプールのように流れに乗りながら、きゃっきゃとふざけて泳いでいく。

 「あー、浮き輪とか欲しいわ。ビーチボールもね」
 「それじゃあ完全にプールだよ」
 「そうそう、焼きそばとか、かき氷もあるといいな」
 「あはは!絵梨ちゃんってば」
 
 スパではしゃいだ後は、ロングドレスに着替え、ネイルアートもしてもらった。

 せっかくこんなにオシャレにしてもらったんだからと、ディナーは高級そうなイタリアンレストランに行ってみた。

 ムード満点の店内はカップルばかりで、最初は周りの目を気にしたけれど、おいしそうな料理が次々と運ばれてくると、二人はひたすら舌鼓を打った。
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