最強王子とフェンス越しの溺愛キス
あぁ、幸せだ――

こんな良い友達が出来て、私は本当に恵まれてる。


そう思ったら泣けてきて、鼻をズビと鳴らす。真白ちゃんは「もう~」と笑って、私に紙ナプキンを渡してくれた。



「ちょっと、硬い……」

「こら。紙質に文句言わないの」

「へへ……すみません」



涙をちょいちょいと拭く私を、真白ちゃんはただ黙って見ていた。

そして肩肘をついて、



「今は幸せなんだね、美月」



そう言った。


その時の真白ちゃんが悲しそうで、どこか切なそうで。

私は彼女の名前を呼ぶことしかできなかった。




「真白ちゃん……?」



「んーん。何でもない。それより――ここのケーキが美味しいって有名なの、知ってる?」

「え、知らない!」


「じゃあ追加注文行くよー!はい、メニュー表!」

「はいッ」



美味しいケーキを食べながらガールズトークは進み、そして終焉へ。
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