最強王子とフェンス越しの溺愛キス



バキッ




白いのは、近くにいた紫野郎を、腕一本で薙ぎ払った。


まさか自分が殴られるとは――と、全く想定してなかった紫野郎は「ガぐっ!!?」と言いながら、ほぼ全裸で地面を滑った。衝撃で少し地面を飛んで、顔面から着地した時の紫野郎の表情――それは「恐怖」一色。



そして、その恐怖に震えたのは――さっきまで血気盛んなLunaも同じだった。今では風船に穴が開いたようにしょぼくれ、汗をタラタラ流している。


そんな一同を見て笑っているのは、白いの。ただ一人だ。




「″てめぇ誰だよ”か。冗談にしては面白くない。お前らこそ、俺が誰だか分かってんの?


LunaとMoonの総長――純白純弥だ」




この言葉に、ある者は絶句し。ある者は目をひんむいて驚いている。


そして、俺の目の行き届いていない「ある者」は――


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