言えないまま・・・
6章 突然の来訪
その後しばらく作品の依頼もなかったので時間をもてあましていた。

結婚する前は、童話を書きながらOLもやってたりしたから、本当にバタバタで忙しい毎日だった。

その時はわからなかったけど、当時はなんだかんだ言って楽しかったなぁって。

私の友人達のほとんどがまだ独身でがんばって働いてるし、昼間一緒に過ごせる人っていないんだよね。

一人で出掛けても、楽しくないし。

ソファーにもたれてふと目を向けた先には、観もしないテレビが付けっぱなしだった。

時計を見たらまだ13時半。

「何もしてないのに疲れた。」

独り言を言いながら、自分の手帳を広げる。

ほとんど予定が入ってないスケジュール帳。

なんだかむなしい。

働いてる頃は予定が入ってない方がめずらしいくらいだったのに。

今月のスケジュールの余白にアキの携帯番号が小さく書いてあった。

一応、あの茶封筒から書き写したものの、未だに連絡もとってない。

あれからもう1週間か。

ぼちぼちイラストも描き始めてる頃だと思うんだけど。

アキは順調に進んでるのかしら?
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